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特集 呼吸機能の正常値と予測式
動肺コンプライアンス
Cdyn
佐々木 孝夫
1
1東北大学医学部第1内科
pp.486-488
発行日 1982年5月15日
Published Date 1982/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203983
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dynamic compliance(Cdyn)は,前項のstatic com—pliance(Cst)と同様に本来肺胞系あるいは肺実質系の物性を表わす指標である。換気力学の指標の多くが種々の生理的要素に依存して変化するのと同様に,Cdynもまた種々の生理的条件の影響を受ける。すなわち,測定の条件によって生理的に異なる値をとる。なかでも機能的時定数の肺内不均等が存在するときに発生する換気数増加に伴うCdynの減少1),すなわち,Cdynの換気数依存性は,臨床評価の上で特異な意味を持っている。というのは,Cdyn換気数依存性の判定は,多くの場合Cstとの比較,すなわち,selfcorrectionで行なわれるため,肺胞系としての物性影響因子が相殺され,肺胞系の物性よりも最も純粋に気道系の変化をみることになるという逆説的な性格をもっている2)。
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