皮フ科医直伝10―よくあるトラブルと対処法
“癖”による皮膚炎?―見抜けるか?見逃すか?
中村 健一
1
Kenichi Nakamura
1
1おゆみの皮フ科医院
pp.821-823
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101031
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「先生!この子の皮膚はきれいになるのでしょうか? いつまで通院したらいいのですか?」「先生!すぐ治るって言ったけどまた痒くなりました.話が違いますね」
患者からのクレームだ.
「何の湿疹かな? すごまれても困るなぁ」「ウーン,診断がつかない,どうしよう」
単に皮膚を引っ掻いただけの病変,毎日ウンザリするほどお目にかかる.白癬,カンジダ,とびひなどではない.ステロイド外用薬や保湿剤などを処方して何とかよくなるがすぐ再発する.何が何だかよくわからないが,患者が通院してくれるので「まぁいいか」などとのんびり構えていたが,この「湿疹」の正体は実は意外なところにあることがわかった.“掻く癖”である(図1~3).
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