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Case
意識障害と発熱を主訴に搬送された17歳男性
患 者:17歳,男性.
主 訴:ランニング後,意識がおかしい.
既往歴:小児喘息.
生活歴:高校3年生.アルコールや喫煙歴なし,最近の投薬歴なし.
現病歴:小児喘息以外は生来健康であった.6月から受験勉強のため,普段から寝不足がちであった.7月9日夕方5時頃から運動不足解消のため約8 kmのランニングを行っていたところ開始から40分後に突然倒れこみ,少量の水分を摂取するも不穏状態となり,当院救急室へ搬送された.運動中は半そで・短パン姿であったが,水分補給はなかった.同日の天気は晴れ,最高気温は33℃に達していた.
来院時身体所見:血圧80/(触診),心拍数170/分,呼吸数36/分,直腸温41.2℃. GCS E4V3M5,全身発汗,末梢は温かい,眼瞼結膜に貧血なし,瞳孔左右差なし(3.0 mm),頸部硬直なし,内頸静脈圧の上昇なし,心音は整,頻脈・雑音なし,呼吸音は清・促迫,腹部は軟.
神経学的所見:不穏状態のため制限されるが,明らかな徒手筋力テストの左右差はなく,筋力低下は認めない,感覚は詳細不明,明らかな深部腱反射の亢進や低下はみられない.脳神経学所見上も明らかな脱落所見はみられない.
検査所見:血算;WBC 11,100/μl,Hb 16.8 g/dl,Ht 49.1%,Plt 19.2×104/μl.生化学;Na 146 mEq/l,K 5.2 mEq/l,Cl 103 mEq/l,BUN 21 mg/dl,Cre 1.7 mg/dl,Ca 10.2 mg/dl,tCBil 0.6 mg/dl,GOT 31 IU/l,GPT 23 IU/l,CPK 445 IU/l.一般検尿所見;比重1.029,PH 6.0,糖(-),蛋白(-),アセトン(-),ビリルビン(-),ウロビリノーゲン(±),動脈血液ガス分析;pH 7.31,PaO2 114 mmHg,PaCO2 31.1 mmHg,HCO3 15.4 mEq/l.
胸部X線写真:明らかな異常なし.
心電図:洞性頻脈.
頭部CT:明らかな異常なし.
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