EBM時代の生薬・方剤の使い方 [第7回・生薬編]
柴胡と黄疸
雨谷 栄
1
Sakae Amagaya
1
1日本薬科大学漢方薬学科
pp.616-619
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100988
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柴胡は小柴胡湯をはじめとする「柴胡剤」の中心生薬であり,漢方処方としての基礎および臨床報告は数多いが,生薬“柴胡”単独での効果を検討した報告は少ない.
まず,古典における柴胡の使い方をみてみると,神王本草経では,「心腹を主り,腸胃中の結気,飲食の積聚,寒熱邪気を去り…」とあり,傷寒論・経方医学では膈における気の疎通,すなわち気の鬱滞の解消がその主な役割である.一方,中医学では肝気鬱滞を解き,月経不順,腹痛を治し,鎮静,鎮痛作用を示すとあり,さらに解表,解熱作用の記載があることから,これらをまとめると気の疎通,調節が柴胡の重要な作用と考えられる.
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