再評価後の漢方治療入門―もう一度随証治療・7
炙甘草湯と柴胡加竜骨牡蛎湯(その1)
坂口 佳司
1
1坂口循環器科内科医院
pp.647-650
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902779
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本連載の目的とするところは,第1回の「序論にかえて」(9巻1号)に述べたように,漢方理論にこだわることなく,方剤中心にその証を可能な限り現代医学的にとらえることにある.これは漢方を運用する際の最低限の「しばり=ルール」を処方単位,対象病態単位でまとめようという試み,言い換えると古典以来の漢方のエッセンスを現代医学的に翻訳することであるが,この方法が漢方処方の理解のためにより実践的な1つの手法であると考えている.
以上の考えに基づき,「下痢」,「かぜ症候群の初期」,「かぜ症候群後の慢性咳嗽」に使用することのできる処方について解説をしてきた.今回は,「動悸」の治療に使用する処方として,炙甘草湯と柴胡加竜骨牡蛎湯を取り上げて,それぞれの使用上のしばりについて述べていくことにする.
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