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小柴胡湯による偽性アルドステロン症
加藤 明彦
1
1浜松医科大学第1内科
pp.369
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904122
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低カリウム(K)血症は臨床上,比較的よく遭遇する電解質異常であり,薬剤,特に甘草が原因になっていることも少なくない.
高血圧を有する62歳の男性が,全身の脱力感,歩行困難を訴え入院した.入院時,振戦および遠位筋優位の筋力低下がみられ,血清Kは1.7mEq/1と低下し,CPK 20,065IU/1と著増していた.多尿(2,800ml/日)であり,尿中K排泄は50mEq/日と増加していた.血漿レニン活性0.1ng/ml/h,血漿アルドステロン10pg/ml以下と抑制され,代謝性アルカローシスを伴っていたことより,薬剤によるミネラルコルチコイド過剰が疑われた.慢性C型肝炎に対し,約1年前から小柴胡湯7.5g/日を内服していたことが判明し,薬剤の中止およびK補給により血清K値は1週間後に正常化した.本例は小柴胡湯による偽性アルドステロン症と診断した.
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