特集 トラベルメディスンのすすめ
ミニレクチャー
急性高山病
花岡 正幸
1
,
久保 惠嗣
1
1信州大学医学部内科学第一講座
pp.514-515
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100963
- 有料閲覧
- 文献概要
急性高山病は,海抜2,500 m以上の高地に急速に到達した際に,低圧・低酸素に対する順応不全により発症する.頭痛,めまい・ふらつき,吐き気・食欲不振,疲労感・脱力感・倦怠感,不眠,思考力低下などが出現する.
急性高山病の症状について,1993年,カナダのレイク・ルイーズにおいて開催された国際低酸素会議にて急性高山病スコア(レイク・ルイーズスコア)1)が制定された(表1).本スコアリングシステムのうち,セルフアセスメント(自分自身での評価法)は,①頭痛,②胃腸症状,③疲労・脱力,④めまい・ふらつき,⑤睡眠障害,の5項目よりなり,重症度で各項目0~3点に点数化し,合計15点満点で評価する.簡便なセルフチェックシステムであるため,急性高山病の客観的かつ有用な指標として広く世界で汎用されている.一般的に,頭痛と他の1項目の存在で急性高山病の可能性があり,各スコアの合計が3点以上であれば急性高山病と診断される.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.