特集 家庭医のためのウイメンズ・ヘルス読本
【主訴からのアプローチ―病歴でどこまで迫れるか】
⑥過活動膀胱・尿失禁・性器脱
藤島 淑子
1
1川崎協同病院産婦人科
キーワード:
排尿日誌
,
残尿量
,
膀胱訓練
,
骨盤底筋体操
Keyword:
排尿日誌
,
残尿量
,
膀胱訓練
,
骨盤底筋体操
pp.327-329
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100919
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Case
膀胱訓練により軽快した頻尿の症例
患者:61歳女性.
下記の排尿日誌(J1)は頻尿時のもの.
排尿日誌
96:15 100ml
97:45 100ml
99:15 100ml
10:20 80ml
11:10 100ml
13:10 90ml
13:40 25ml(以後省略)
結果:24時間で排尿回数17回,排尿量の合計は1,365ml.
現病歴:4カ月ほど前より頻尿がみられ,他院に通ったけれど治らず受診.膀胱訓練(J2)を指導した.正常の目安は,1日排尿量1,000~2,000ml前後なので,量としては問題はない.過活動膀胱(J3)または間質性膀胱炎(J4,膀胱痛症候群)が疑われた.
「先生に“おしっこがまん”と初めていわれて,それで良くなってしまった」とのこと.膀胱訓練が有効であった例である.
がまんして300mlぐらい尿をためられれば,膀胱容量は正常である.このように頻尿の方は排尿日誌をつけながら,膀胱訓練をすると軽快する.患者さんは「がまんできる自信がついた」と言っている.
私は産婦人科外来で婦人泌尿器科治療を行っています.疾患は主に過活動膀胱,尿失禁,性器脱(膀胱瘤,子宮脱,直腸瘤など)です.過活動膀胱と尿失禁については,外来通院でかなり軽快します.
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