Editorial
現代女性をふつうに診る
井上 真智子
1,2
1東京ほくと医療生協 北足立生協診療所
2北部東京家庭医療学センター
pp.265
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100863
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女性が一生のうちに経験する月経の平均回数は,戦前には,たった50回程度だったそうです.初経年齢が遅く,出産回数が多く,また平均寿命も短かったからです.それに対して,現代の女性が経験する月経は一生で450回以上と,10倍近くにもなりました.そのため,子宮内膜症や卵巣疾患などが増え,また月経にまつわる症状に悩む女性が大変多くなっているといわれています.
同時に,女性を取り巻く社会環境も大きく変わり,価値やライフスタイルを主体的に選択することができるようになってきました.「女性は家庭を守るべき」というジェンダーの束縛が小さくなった一方で,社会において女性が担う役割も多様になっています.急速に,また複雑に変化する社会のなかで,女性も,また男性もさまざまなストレスを経験しながら生活しており,それに関連した健康問題も多く生じているのが現状だといえるでしょう.
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