特集 家庭医のためのウイメンズ・ヘルス読本
【主訴からのアプローチ―病歴でどこまで迫れるか】
③月経痛
湯浅 美鈴
1
1Edgewater Family Care Center
キーワード:
一次性月経困難症
,
二次性月経困難症
,
発症年齢
,
NSAIDsの有効性
Keyword:
一次性月経困難症
,
二次性月経困難症
,
発症年齢
,
NSAIDsの有効性
pp.316-318
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100916
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
月経痛が主訴の14歳女性
患者:生来健康の14歳女性.
現病歴:月経に伴う下腹部痛を主訴に来院.初経は6カ月前.ここ2~3カ月,月経開始日から3日目にかけて,月経に伴う下腹部の痛みがひどく,市販の痛み止めを飲むも改善せず.今回は学校を休んでしまった.痛みをどうにかしてほしいといって来院.今まで性交渉の経験はなく,帯下や発熱はみられていない.
診断:年齢や状況から考えて,診察でとくに異常所見がなければ,まず一次性月経困難症を疑う.さらに詳しく彼女に聞いてみると,市販のアセトアミノフェンを1日に1,2回試しただけであることが判明.医師は鎮痛薬をNSAIDsに変更し,月経開始直後から3日目頃までは1日3回定時に飲むことをすすめた.
このように,患者は月経痛時に鎮痛薬として何をどのように飲んだらいいのか知らないことが多い.医師の適切な説明がとても重要である.
月経痛は18~45歳の女性の約90%が経験している.典型的には月経開始から数日間,下腹部に痛みを生じるもので,ひどい痛みのために学校や仕事に行けなくなることもある(約15%).ここで大切なのは,月経痛(月経困難症)が器質的疾患のないものなのか(一次性月経困難症),あるものなのか(二次性月経困難症)を判断し,適切な診断・治療・教育を行うことである.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.