- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
患者:74歳の男性,ADL自立.
主訴:発熱.
【現病歴】来院当日の夕方から気分が悪く,咳と黄色痰が出現.夜になり悪寒(chill)に続いて悪寒戦慄(shaking chill)が生じたため,救急車にて救急センターを受診した.
【既往歴】骨髄異形成症候群(MDS)と糖尿病(HbA1c 5.5%)にて,外来通院中.アレルギーなし.1年前に肺炎球菌ワクチン接種.内服薬;αグルコシダーゼ阻害薬.
【生活歴】喫煙なし.機会飲酒.
【家族歴】妻がかぜ気味.
【身体所見】身長165cm.体重69kg.バイタルサイン;血圧180/100mmHg,脈拍113/分,呼吸数36/分,体温39.0℃,SpO2 91%(room air).全身状態;脱力あり.頭頸部;貧血・黄疸・咽頭発赤なし.胸部;左背部に湿性ラ音(crackle)あり,喘鳴(wheeze)なし.心音;整,心雑音なし.腹部;平坦軟,圧痛なし.背部;CVA(肋骨脊椎角)叩打痛なし.
【検査所見】
血液検査;WBC 2,200/μl,Hb 13.5g/dl,Hct 40.5%,Plt 4×104/μl,Na 139mEq/l,K 3.7mEq/l,Cl 103mEq/l,BUN 10mg/dl,Cr 0.6mg/dl,Glu 176mg/dl,AST 26IU/l,ALT 31IU/l,CRP 1.3mg/dl.
尿検査;糖(-),蛋白(-),潜血(2+),赤血球10~19/HPF,白血球1~4/HPF,菌(-).
胸部X線;正面像は浸潤影不明.側面像は背側に浸潤影あり(図1).
喀痰グラム染色;肉眼所見で唾液様の中に黄色の塊あり.黄色部分を選り分けスメアすると強拡大で多核白血球(PMN)2+,グラム陰性球桿菌(gram-negative coccobacilli : GNCB)2~3+
(図2).
喀痰抗酸菌染色;抗酸菌陰性.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.