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患者:89歳の女性.ADLはほぼ自立し一人暮らし.
主訴:発熱.様子がおかしい.
【現病歴】来院1カ月前に,肺炎で近医に3日間入院した.来院3日前から咳と痰があり,徐々に増強していった.来院当日に息子が訪問すると元気がなく,39.6℃の発熱があり,救急車で救急センターを受診した.
【既往歴】高血圧と糖尿病で近医にてフォロー.左腸骨動脈瘤で5年前に人工血管置換術.喘息・アレルギーなし.内服薬;血糖降下薬と降圧薬の2剤.
【生活歴】喫煙・飲酒なし.
【身体所見】身長145cm,体重57kg.バイタルサイン;血圧132/70mmHg,脈拍96/分,呼吸数32/分,体温38.8℃,SpO2 90%(room air).全身状態;良好といえず.頭頸部;貧血・黄疸なし,項部硬直なし.胸部;右肺に湿性ラ音(crackle)あり,喘鳴(wheeze)なし.心音;整,右第2肋間に収縮期雑音II/VI度.腹部;平坦軟,圧痛なし.背部;CVA(肋骨脊柱角)叩打痛なし.
【検査所見】
血液検査;WBC 21,100/μl,Hb 12g/dl,Hct 38%,Plt 21×104/μl,Na 133mEq/l,K 3.3 mEq/l,Cl 94 mEq/l,BUN 23mg/dl,Cr 0.8 mg/dl,Glu 195 mg/dl,AST 16IU/l,ALT 5IU/l,CRP 12 mg/dl.
動脈血液ガス;呼吸数28/分,O2 2l/分にてpH 7.39,PaCO2 42mmHg,PaO2 87mmHg,HCO3 25mEq/l.
胸部X線;右中肺野に浸潤影あり(図1).
喀痰グラム染色;マクロは黄色粘性,ミクロは弱拡大(100倍)で上皮細胞は少ない良質な痰,強拡大(1,000倍)で多核白血球(polymorphonuclear leukocyte : PMN)2+★1,グラム陽性双球菌(gram positive diplococcus : GPDC)2+(図2).
喀痰抗酸菌染色;抗酸菌は陰性.
尿検査;糖3+,潜血2+,蛋白2+,白血球>100/HPF,赤血球10~19/HPF,菌3+.
尿グラム染色;多核白血球1+,中型のグラム陰性桿菌(gram negative middle rod★2)2+(図3).
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