What's your diagnosis?[49]
“会話困難”は診断困難で治療困難?
上田 剛士
1
,
酒見 英太
1
1洛和会音羽病院総合診療科
pp.11-13
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100830
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
ボウリング場に勤務していた53歳の男性.元来健康であったが,3年前の9月頃から会話のリズムが遅くなってきたため某総合病院神経内科を受診.頭部MRI・採血などを行ったが原因は特定できず,“会話困難症”と診断され,昨年4月まで通院していた.その後も徐々に会話困難が進行し,今年に入ってからは,こちらの言葉はわかっているようだが意味をなす単語を発することがなくなり,会話が成り立たなくなってきた.9月になって,仕事も困難となり退職した.この頃までは排泄,風呂,食事はとくに変化なかったが,11月頃から尿失禁もみられるようになっていた.
来院5日前までご飯を1日2杯程度食べていたが,4日前より3~4口摂取するのみで排便もみられなくなったため,11月18日食欲低下を主訴に救急外来を受診.発語障害,摂食低下の精査目的で総合診療科に入院となった.咳,痰,鼻水,吐気,嘔吐,腹痛,頭痛,嚥下障害,筋力低下,関節症状はないが,それ以上の問診は困難であった.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.