JIM臨床画像コレクション
チアノーゼでみられる太鼓ばち指
馬場 清
1
1倉敷中央病院小児科
pp.822
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100706
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症例は,写真撮影時に27歳の男性である.生後より心雑音,チアノーゼを指摘されており,当初はファロー四徴症と診断されていた.当時は4, 5歳にならないと手術できないと告げられていた.4歳の時に心臓カテーテル検査を受けたが,肺動脈がないとのことで,手術不能とされた.8歳の時に紹介されて当院を受診した.この時,既に写真のような「ばち指」を示していた.心臓カテーテル検査を施行したところ,総動脈幹症で左肺動脈は上行大動脈,右肺動脈は下行大動脈より起始していた.左肺動脈は狭窄がなく肺高血圧,右肺動脈は非常に細く3 mm径であった.右肺動脈にブラロック短絡手術が行われたが,血流は改善されず手術不能の状態で経過観察中である.赤血球数635万/μl,ヘマトクリット 55.6%,SO2 73%で,多血症と低酸素血症による合併症もみられている.
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