在宅医療技術の進歩(第9回)
胃瘻・経管栄養療法
小川 滋彦
1
1小川医院
pp.814-817
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100704
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在宅医療技術とは,病院における医療の単なる継続や模倣ではなく,在宅という「生活の場」において,生活者としての患者に最もフィットした医療の供給方法を開発・研究することである.
経管栄養療法のアクセスルートのひとつである胃瘻,とりわけ経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy : 以下PEG,ペグと読む)は,経腸栄養療法を在宅医療の現場で安定的に提供することを可能した.そして,十分な栄養療法は在宅医療自体の安定性を飛躍的に高め,時には病院を凌駕するQOLをもたらしうる.また,PEGの管理技術は,エンドユーザーである患者のニーズによってモディファイされ,より快適なものに変貌を遂げて,在宅から病院医療に対して「逆輸入」されているという点で特筆に価する.まさにPEGは,「病院医療が上で在宅医療が下」という暗黙の価値観を覆す,エポックメーキングな在宅医療技術ということができる.
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