レジデントCase Conference
発熱,咽頭痛,右耳下腺部の腫脹を主訴に来院した65歳女性
神白 麻衣子
1
,
児玉 文宏
1
,
仲里 信彦
1
,
徳田 安春
1
1沖縄県立中部病院内科
pp.272-275
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101128
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Case
患者:65歳,女性,主婦.
主訴:発熱,咽頭痛,右耳下腺部腫脹.
既往歴:高脂血症.
現病歴:3日前より咽頭痛,嚥下時痛が出現し,2日前より発熱(最高40.5℃で複数回の悪寒戦慄を伴う)を認めた.次第に右頸部・耳下腺付近まで疼痛および同部位が腫脹してきた.さらに嚥下困難や開口障害も出現してきたため,救急外来へ受診となった.
身体所見:血圧70/46 mmHg,脈拍110/分,呼吸数20/分,体温38.1℃.意識清明,苦悶様表情あり.眼瞼結膜に貧血なし.右耳下腺部から下顎部にかけて15×10 cmの弾性軟の発赤した腫瘤あり(図1).開口三横指,口腔内は両側扁桃の発赤(白苔なし)および右傍扁桃の軽度腫脹あり.右頸部リンパ節の腫脹あり.呼吸音は清・左右差なし,心音は整・雑音なし.腹部は平坦・軟.皮膚に発疹なし.
検査所見:血算;WBC 12,900/μl,Hb 12.8 g/dl,Hct 37.2%,Plt 9.7×104/μl.生化学;Na 135 mEq/l,K 3.1 mEq/l,Cl 101 mEq/l,BUN 25 mg/dl,Cr 0.8 mg/dl,Glc 144 mg/dl,Amy 144 IU/l,CRP>20 mg/dl.一般検尿所見;比重 1.021,pH 6.5,Glc(-),Pro(-),OB(±).
胸部X線写真:明らかな異常を認めず.
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