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対象の全体像への接近のために[2]
川島 みどり
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1東京看護学セミナー
pp.143-146
発行日 1982年3月25日
Published Date 1982/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907654
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‘ケアに生かす情報’とは
前号では,看護者が収集した情報をケアにどのように活用するかということで,1人の老人の事例を提示した.そして,不足な情報は何かについて考えてみようと述べた.この事例は,すでに何回かの研修会で紹介し,参加者に考えてもらったものである.興味深いことは,いずれの場所においても,同じ傾向がみられたということである.
つまり,‘不足な情報は?’と問われると,多くの看護者は,対象の抱えている問題や背景を網羅的に集めようとする傾向があるからである.そして,それはしばしば平面的であり,並列的である.つまり,不急の情報も,差し迫った情報も混台して,‘不足な情報’としがちであるということである.
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