特集 The 初診外来
【初診の心得】
わが国における初診外来の全体像
竹島 太郎
1
1自治医科大学 地域医療学センター
キーワード:
地域特性
,
セッティング
,
医療機関の規模・役割
Keyword:
地域特性
,
セッティング
,
医療機関の規模・役割
pp.638-640
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200603
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国では,国民皆保険制度により,誰もが医療機関を自由に選択しフリーアクセスで受診できる.200床以上の病院の初診では紹介状がない場合に特定療養費(非紹介加算)を徴収するものの,診療所,小規模病院から大規模病院に至るまで,医療機関の規模に関係なく,ほとんどの医療機関で初診患者の診療を行っている.
福井ら1)の報告では,わが国の一般住民において,1カ月に87%が体調異常を訴え,31%が診療所を,9%が病院を,0.6%が大学病院を受診する(図1).初診患者の主訴・診断名に関する報告は数例あり,医療機関の規模によって,患者の種類や頻度が異なるようである.本稿では,5つのへき地診療所を受診した4,495例2),小規模病院総合診療科を受診した1,515例3),東京都内の臨床研修病院総合診療科を受診した1,950例4),大学附属病院総合診療部を受診した4,558例5)のデータを参考に,わが国における初診外来の全体像を鳥瞰し紹介する.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.