在宅医療技術の進歩(第3回)
在宅医療における検査
中野 一司
1
1ナカノ在宅医療クリニック
pp.271-274
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100574
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在宅医療の2つの方向性
現在展開されている在宅医療には,大きく分けて2つの方向性があるように思われる.1つは,病院の中で行われる医療をそのまま在宅に移行し,実践しようとする試みである(自己完結型在宅医療).ハイテク在宅医療に代表されるこれらの自己完結型在宅医療において,臨床検査領域では,在宅に持ち込めるレントゲン機器や超音波診断機器の開発,簡易な血液検査のキットなど,各開発メーカーの取り組みは既に始まっている.そして,もう1つの在宅医療の方向性は,介護保険制度の理念にもみられるような,連携を主体としたネットワーク型在宅医療(地域連携型在宅医療)である.
筆者は,自己完結型在宅医療はコストが高すぎて,まだ実用段階ではないと考えている(とくに地方では).在宅現場の最前線の臨床医である筆者は,開業当初から,ネットワーク型の地域連携型在宅医療を目指してきた.
本稿では,地域連携型在宅医療において臨床検査(画像診断を含む)をどう考えるかにつき,私見を述べてみたい.
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