FOCUS
在宅医療における臨床検査技師のかかわり
小針 幸子
1
1ゆみのハートクリニック検査課
pp.558-560
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208378
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はじめに
日本は超高齢社会を迎え,在宅医療のニーズは高まっている.さらに,新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の感染拡大により,病院が外来診療や入院の制限をする事態に陥り,また患者自身も医療機関の受診を避けるケースが見受けられることから,在宅医療の重要性はますます増加することが予想される.
在宅医療は,家族・介助者などの助けを借りないと通院ができない患者を対象に,定期訪問診療と往診,さらに電話対応を行い,疾病の増悪予防から急性期対応,そして看取りまで,在宅療養のサポートを行っている.在宅医療といえば,癌患者を中心とした看取り医療というイメージもあるが,一方で生活の場で急性増悪と緩解を繰り返す心不全患者にとっても,症状の増悪や再入院を予防することのできる,新たな形の医療であると考える.そして,在宅における臨床検査もまた,病態把握や治療方針を決めるうえで重要な役割を担っており,在宅医療において必要不可欠なツールとなっている.
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