特集 医療と福祉はこう変わった
良質な連携システムの構築と教育環境の整備によるチーム医療の実現―在宅療養支援診療所の現状と課題
中野 一司
1
1医療法人ナカノ会
pp.1010-1015
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100963
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医療法人ナカノ会8年の歩み
1999年9月,医師1人,看護師1人,事務1人の3名で,ナカノ在宅医療クリニック(個人)を開業した。当時私は,在宅医療がやりたくて(名前だけは日本初の)在宅医療クリニックを立ち上げたわけではない。在宅医療の“システム”を作りたくて,ナカノ在宅医療クリニックを開業したのだ。当時も,訪問看護やホームヘルパー,訪問入浴サービス,介護施設,病院などの社会資源は存在したが,それらのサービスはバラバラに提供されていた。介護保険施行6か月前の頃である。今後,在宅医療では,これら個々の社会資源が有機的につながり,機能する地域連携ネットワーク型在宅医療システムが必要と考え,これらのシステムを鹿児島市に構築するために,ナカノ在宅医療クリニックを開設した。表1は開業にあたっての当クリニック開設理念である。
現在までに,多くの医療・介護福祉施設と連携してきたが,私たちにとっては地域の訪問看護ステーションは地域病院(鹿児島市)におけるナースステーション,居宅介護支援事業所は地域連携室,後方支援病院は地域病院のICU(集中治療室),そして医局兼当直室としてナカノ在宅医療クリニックを考え(表1,図1参照),そのためのシステムづくりに邁進してきた。
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