地域・家庭医療学実践記(第13回)
生涯教育でパワーアップ
涌波 満
1
1ファミリークリニックきたなかぐすく
pp.72
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100526
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“嘔吐を伴う今までに経験したことのない頭痛がある.”(髄膜刺激症状)
“痴呆症状と尿失禁が短時間のうちに増悪する.”(頭蓋内圧亢進状態) “咽頭所見に乏しい発熱患者では,診察上,とくに甲状腺の圧痛,右季肋部・肋骨脊柱角の叩打痛,関節腫脹の有無に注意する.”(発熱患者の見落としがちな病態)
“味覚障害を訴える人の多くが,嗅覚とくに副鼻腔周辺の病態に伴う障害を持っている.”
“無症状の高アルカリホスファターゼ血症をみた時は,服薬歴(とくに抗てんかん薬)を確認し(ビタミンD欠乏性骨軟化症),腹部エコーによる精査を忘れない(肝内腫瘤).”
以上は,心に留めておいて,最近の診療で,文句なく診断するのに役に立った知識の一部です.プライマリ・ケアの分野では,扱う臨床的な問題が不明瞭であることが多く,10~15分の医療面接の中で効率よく診療していくためには,上にあげた問題解決のためのポイントとなる知識を自分なりにおさえておく必要があります.
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