とびら
生涯教育を見すえた教育とは
若山 佐一
1
1弘前大学医学部保健学科
pp.343
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100474
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この2年間,科学研究費補助金をいただき,限られた施設数ではありますがいくつかの臨床実習の現場を,実習開始の週から終了まで毎週半日ないし一日じっくり観察する機会を得ました.本来の研究目的とは別に,自分自身が経験してきた臨床現場とその職場環境とは異なる臨床現場での,純粋に観察に徹する立場からの体験でした.この十数年,教育現場中心の環境にいた立場からは非常に新鮮であり,また,教育に対する新たな視点を意識する機会にもなりました.その視点とは,卒後教育,生涯教育です.
卒前教育の段階からの,生涯教育を見すえた教育の必要性については,いまさら何をと自分自身でも思ったりもしますが,実際の卒前教育では,学生は単位を落とさないこと,そして国家試験に合格することが最優先であり,われわれ教員もややもすると目先のことに追われ,将来を見据えた教育的視点を欠くというピットフォールにはまりがちです.
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