Coffee Break
生涯教育
多賀須 幸男
1
1関東逓信病院消化器科
pp.1197
発行日 1986年11月25日
Published Date 1986/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110115
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“今日の如く,連絡なき個々の知識が著しく進歩した状態では,実地医家にとっては,判断の或る程度の確実性を保証するに足るだけの自家の識見を有つという事が,なかなか容易ではない.多労消耗の実地診療に,その最善の力を消尽すべき義務を負った人々には,新しい文献の検討はおろか,その理解の可能性すら日に目に失われいてる.”
これは1858年(安政5年)に出版されたウィルヒョウの「細胞病理学」の序文の吉田冨三訳の一部である.このような状況を解消する目的で,ベルリンの臨床医家を集めて行った公開講座の速記録が,現代の病理学にとって最も重要な著作となったのである.ついでに言うと,この本は吉田の訳本によっても非常に難解で,当時のベルリンの臨床家にとってどれほどまで理解できたか,気掛かりになる.
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