プライマリ・ケア医のための「みみ・はな・のど」(その14)
今年からスギ花粉症には初期治療を導入しよう―スギ花粉は1月から飛散が始まる
藤村 聡
1
,
伊藤 壽一
2
,
福井 次矢
1
1京都大学医学部附属病院総合診療部
2京都大学医学部附属病院耳鼻咽喉科
pp.68-70
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100525
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スギ花粉症を代表とする花粉症は本邦では有病率が17%前後と推定され,その頻度は生活習慣病に匹敵する.また,生活習慣病が高齢者に多いのに対して,花粉症患者は全年齢層に分布しており,かつての結核に次ぐ“第二の国民病”と表現されることすらある.
すでに知られているように,花粉症の患者数や重症度はその年の花粉の飛散量(とくにスギ花粉)に左右される.本年の花粉飛散について日本気象協会では以下のような予測を立てている.「一昨年は全国的に大量飛散であり,昨年は平年並みの飛散量の地域が多かった.気になる本年(2003年)の飛散予測であるが,財団法人日本気象協会・気象情報部が10月の段階で昨年の夏の気象状況から推定した花粉の飛散予測は,関東・東海・近畿を中心に過去10年の平均値を上回ることが予測され,少なくとも昨年以上に患者数が増えることが予測される.」1)
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