特集 診療ガイドライン
気管支喘息の診療ガイドライン
本多 研也
1
,
吉村 尚高
1
1国際親善総合病院呼吸器内科
キーワード:
気管支喘息
,
ピークフロー
,
アミノフィリン
,
β2刺激薬
,
ステロイド薬.
Keyword:
気管支喘息
,
ピークフロー
,
アミノフィリン
,
β2刺激薬
,
ステロイド薬.
pp.25-28
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100515
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Case
慢性肺気腫増悪とともに気管支喘息発作を合併した1例
患 者:73歳,男性.
既往歴:肺気腫および気管支喘息にて加療中.
現病歴:数日前よりの先行する高熱,膿性喀痰,咳嗽の後,喘鳴および呼吸困難が増強し,体動および会話が困難となり当院救急搬送となる.意識は清明だがⅡ型呼吸不全を呈し,体温38.2℃,血圧182/114 mmHg,脈拍134/min・整と高血圧,頻脈を認めたため,β2刺激薬は使用せず,低流量酸素投与とステロイド,抗生剤を中心に対応し,軽快をみた.
わが国の喘息予防・管理ガイドラインでは,喘息治療の目標として,①健常人と変わらない日常生活が送れること,正常な発育が保たれること,②正常に近い肺機能を維持すること;ピークフロー(J1)の変動が予測値の10%以内,ピークフローが予測値の80%以上,③夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく夜間睡眠が十分可能なこと,④喘息発作が起こらないこと,⑤喘息死の回避,⑥治療薬による副作用がないこと,があげられている.
従来,“気道の過敏性および可逆的な気道の閉塞”とされていた気管支喘息の病態が,近年“気道の慢性炎症性障害”と考えられるようになった.そのため喘息症状がなくても,定期的な評価と継続的なモニター,および気道の炎症を抑え,その増悪を予防するための治療が必要であるとされている.
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