特集 ジェネラリストのキャリアパス “初期研修”から“後期研修”へ
2年間の新医師臨床研修を終えて
藤本 卓司
1
1市立堺病院総合内科
キーワード:
新医師臨床研修制度
,
ジェネラリスト
,
病歴聴取
,
身体診察
Keyword:
新医師臨床研修制度
,
ジェネラリスト
,
病歴聴取
,
身体診察
pp.528-531
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100370
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Question & Answer
Q:新医師臨床研修制度はジェネラリストを育成する素地となったか?
A:大きな一歩となった.今後,総合診療科や総合内科が,①専門領域として確立すること,②外来や救急にとどまらず入院症例を多く担当すること,が重要である.
あらためて,新医師臨床研修制度の基本理念とは
2年間の新医師臨床研修制度をふりかえるにあたり,その「基本理念」1)をあらためて読んでみた.「臨床研修は,医師が,医師としての人格を涵養し,将来専門とする分野にかかわらず,医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ,一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう,基本的な診療能力を身に付けることのできるものでなければならない」とある.一見,あまりにも当然すぎることが謳われている感じがするが,大切なキーワードが散りばめられたよい文章であると思う.
キーワードの中で最も重要なものとして,「社会的役割」を挙げたい.すなわち,医学・医療は,人々がそれぞれの人生の中で遭遇する負傷や疾病に対して,少しでもその負担を少なくすることにより,各人の人生を全うするための“援助”を行うことが本来の役割である.医療はけっして主役ではなく,社会の中で生きる人々を支援するもの=脇役としてある.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.