特集 花粉症の疑問に答える
【診断・検査】
アレルギー性鼻炎の診断プロセスは?
大國 毅
1
Tsuyoshi Okuni
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科
キーワード:
アレルギー性鼻炎
,
診断プロセス
,
病歴聴取
,
身体診察
Keyword:
アレルギー性鼻炎
,
診断プロセス
,
病歴聴取
,
身体診察
pp.1085-1087
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001765
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はじめに
診断プロセスとは,健康問題を抱える患者が医療機関を選び受診し,医療者が病態に関する“情報収集”,“情報統合・解釈”したうえで“暫定診断”を行い,患者への説明,治療開始,経過観察を通じて暫定診断と治療の妥当性を検証・フィードバックする一連の流れを指す1)。一般に,このプロセスは病歴聴取と身体診察による情報収集から始まり,得られた所見をもとに鑑別疾患を挙げ,そのうえで必要とした診断的検査の結果から暫定診断に至る。花粉飛散期にくしゃみ,鼻漏,鼻閉を主訴とした患者で下鼻甲介の蒼白・肥厚,水様性分泌物を認める症例では,これら臨床情報のみから季節性アレルギー性鼻炎と診断することは比較的容易である。しかし,非典型例,治療に抵抗する症例ではアレルギー性鼻炎以外の鼻炎,あるいは他の鼻副鼻腔疾患との鑑別が求められる。

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