レビューでわかる! いまどき診療エビデンス 8
自殺予防
向原 圭
1
1川崎幸病院内科
pp.426-429
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100303
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2004年における日本の自殺者の数は32,325人であり,前年の2003年から,6.1%減少しています.性別では,男性が全体の72%と多数を占めています1).死亡率は,男性が37.4/10万人・年,女性が13.8/10万人・年であり,米国における死亡率(2002年のデータで全体として,11.0/10万人・年2))より高い数字を示しています.年齢別では,60歳代以上が全体の34.0%を占め,最も多く,次いで50歳代(24.0%),40歳代(15.8%),30歳代(13.4%)の順であり,年齢が高いほど,自殺死亡者数は多くなる傾向が認められています.職業別では,無職者が全体の47.8%を占め,最も多く,次いで被雇用者(24.4%),自営者(11.9%),主婦・主夫(8.3%)の順となっています.原因・動機としては,遺書がある自殺者のうち,男性においては経済・生活問題が最も多く(40.0%),次いで健康問題(31.8%)の順,女性においては健康問題(61.1%)が最も多く,次いで家庭問題(12.3%)が多く,男女間で差が出ています1).
2003年のデータですが,自殺によって死亡した患者のうち,自殺の手段としては男女ともに首吊りが最も多く(男66.4%,女58.9%),次いで男性ではガス中毒(13.3%),女性では飛び降り(12.8%)が多くなっています.これに対して,米国では銃による自殺が最も多い(54%)のが特徴的です(2002年)2).
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