特集 Clinical preventive service 外来で行う予防医療
マンスリー・トピックスのすすめ
うつ病と自殺予防・予防接種・子どもの事故予防―外来患者と予防医療について話しあうために臨床医が知っておくべき科学的根拠
北村 和也
1
,
斎藤 さやか
2
,
宮崎 景
3
,
向原 圭
4
1勝川ファミリークリニック
2汐田総合病院神経内科
3名古屋大学医学部附属病院総合診療部
4川崎幸病院内科
pp.971-973
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100472
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忙しい臨床の現場において,患者・地域のためになる予防医療を提供するためには,まずは根拠がある介入から始めることが勧められる(「禁煙カウンセリング」など).今は根拠がないが,大事であると判断される疾患・損傷(「子どもの事故防止」など)については,まずはしっかりとした臨床試験を行うことが優先される.とくにこのような予防医療は,行政を巻き込んだ地域全体としての介入や法律による介入が,個々の臨床医による介入より効果的であることが予想されるため,明確な根拠がない状況で,安易にある特定の予防的介入を個々の臨床医,または患者(両親)に積極的に実践するよう勧めることはあまり行うべきでないと筆者らは考える.したがって,本稿では予防医療について患者と話しあうために臨床医が知っておくべき科学的根拠に焦点を当てることとする.
うつ病と自殺予防
【要約】うつ病の早期発見・治療は,正確な診断のためのインタビュー,十分な治療,注意深いフォローアップが可能である場合のみ有効であるという根拠が存在する.自殺の危険因子に介入し,自殺率の減少につながったという根拠は存在しない.
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