Japanese
English
特集 自殺の現状と予防対策—COVID-19の影響も含めて
自殺リスクと精神保健—最近の自殺問題と自殺予防医療
Suicide Risk Factors and Mental Health:Recent themes and suicide prevention in medicine
河西 千秋
1
,
成田 賢治
1
Chiaki Kawanishi
1
,
Kenji Narita
1
1札幌医科大学医学部神経精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Graduate School of Medicine, Sapporo Medical University, Sapporo, Japan
キーワード:
新型コロナ感染症
,
COVID-19
,
精神保健
,
mental health
,
感染拡大
,
pandemic
,
危険因子
,
risk factor
,
自殺予防
,
suicide prevention
Keyword:
新型コロナ感染症
,
COVID-19
,
精神保健
,
mental health
,
感染拡大
,
pandemic
,
危険因子
,
risk factor
,
自殺予防
,
suicide prevention
pp.1041-1049
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206402
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
抄録 歴史的なCOVID-19の感染拡大は,メンタルヘルス危機を多くの人にもたらしている。日本では2020年7月より自殺の増加を認め,特に女性と児童・思春期の自殺の増加が顕著である。精神疾患は,自殺関連行動のほとんどに関与するが,今般の感染拡大の精神疾患と自殺のプロセスへの関与,および地域メンタルヘルス問題への影響の精査は非常に重要な課題である。精神疾患の自殺関連行動への関与は,精神科医療者が自殺予防対策に従事する根拠となっている。自殺総合対策大綱の公表以来,精神科医療者の意識は変わりつつあり,自殺未遂者医療,病院内の自殺予防対策,そして,がん患者の自殺予防のための介入方略の開発などが行われている。しかしながら,精神科医療者における自殺予防教育の卒前・生涯教育の基盤は,まだ整備されていない。精神科医療者は,自らが組織や地域のメンタルヘルス支援や自殺予防対策に果たすべき役割を自覚し,知識と技術を向上させていかなければならない。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.