特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
身体診察・検査の危機一髪
合宿中に下痢・嘔吐の患者が2名発生!集団食中毒か?
杉澤 憲
1,2
1町立厚岸郡病院内科
2札幌医科大学地域医療総合医学講座
キーワード:
食中毒
,
風評被害
,
原因食材
,
発症時間
,
便培養
Keyword:
食中毒
,
風評被害
,
原因食材
,
発症時間
,
便培養
pp.384-386
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100292
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問題の焦点
さて,問題は,食中毒かどうか?目の前にいる患者さん(の家族など)にどう説明すべきか?ということでしょう.
食中毒であれば,早急に対応をとって感染の広がりを最小限にしなければいけません.しかし食中毒疑いと説明してしまって,風評が広まったら,この場合は今後の合宿のあり方に影響が出るかもしれません.これが飲食店だったら噂だけで大きな打撃になってしまうのでは.1996年に流行したO157の時は,「原因がカイワレダイコン」という厚生省(当時)O157対策関係閣僚会議の中間報告の発表によって,風評被害が出,カイワレ農家は大打撃を受けました(損害賠償訴訟は,2004年12月14日最高裁が国の上告を受理せず,国の敗訴確定).
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