特集 コロナ禍で見えた感染症検査の原点回帰―各種検査の特徴とその解釈
[Chapter 5] 感染性疾患はこう診る! 検査の活用法とその解釈
急性胃腸炎の検査
星 加奈子
1
,
丹羽 一貴
1
1労働者健康安全機構関東労災病院 総合内科
キーワード:
急性胃腸炎
,
食中毒
,
便培養
Keyword:
急性胃腸炎
,
食中毒
,
便培養
pp.1341-1346
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1341
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▪急性胃腸炎とは,消化管内外,感染性,非感染性を含む概念である.急性胃腸炎(感染性腸炎)と診断する前に,その他の鑑別疾患を除外することが重要である.
▪感染性腸炎のほとんどはウイルス性であり,抗菌薬治療は不要である.ただし,免疫不全患者や高齢者などの重症化リスクがある患者などでは抗菌薬投与を検討する必要がある.
▪診断のためには,まず病歴聴取が重要である.とくに,食事歴,渡航歴,薬剤歴,免疫不全の有無などを聴取する.
▪代表的な検査は便培養であるが,陽性率が低く,検査工程も煩雑であるため対象を限定して行う.
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