特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
問題解決はアートかサイエンスか?―TOC(制約条件の理論)の紹介と活用
青木 則明
1
,
大田 祥子
2
1東京大学病院・大学病院医療情報ネットワーク研究(UMIN)センター/NPO 法人ヘルスサービス R&Dセンター/University of Texas at Houston, School of Health Information Sciences
2岡山中央病院内科/NPO 法人ヘルスサービス R&Dセンター/University of Texas at Houston, School of Health Information Sciences(修士課程)
キーワード:
TOC(theory of constraint:制約条件の理論)
,
思考プロセス(thinking process)
,
evaporating cloud
,
コンフリクトマネジメント
,
コーチング
Keyword:
TOC(theory of constraint:制約条件の理論)
,
思考プロセス(thinking process)
,
evaporating cloud
,
コンフリクトマネジメント
,
コーチング
pp.359-363
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100284
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上記の4つのCaseはすべて,TOC(theory of constraint:制約条件の理論)が活用できる典型的な問題点(TOCでは,undesirable effect:UDEと呼ぶ)である.上記の4つのCaseは,それぞれ,TOCの用語で「コンフリクト(ジレンマ)」「コストワールド」「改善への6つの抵抗のレイヤー」「bad multi-tasking」という名前で呼んでいる.
TOCの概要(J1)
TOCを貫いている基本は,「因果関係に基づいた問題解決」である.TOCでは,疫学的に証明されたエビデンスのようなものだけではなく,人々の常識をも因果として考えても良い.たとえば「仕事が終わった後のビールはおいしい」というような内容であっても,対象となる人々にとってそれが納得のいく因果関係であれば,因果としてとらえるため,エビデンスとナラティブを統合した意思決定のツールとしても有用と考える.
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