特集 プライマリ・ケア医/危機一髪 日常診療で困ったら
コミュニケーションの危機一髪
日本語も英語もまったく話せない人が来院した!
小林 米幸
1,2
1NPO 法人 AMDA 国際医療情報センター
2医療法人社団小林国際クリニック
キーワード:
外国人患者
,
電話通訳
,
外国語併記問診表
,
多言語対応問診パソコン
Keyword:
外国人患者
,
電話通訳
,
外国語併記問診表
,
多言語対応問診パソコン
pp.364-365
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100285
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- 文献概要
いったいどこの国の人なのだろうか? 何語を話すのだろうか? 診察室で相対したら,顔つき,皮膚の色などからおよその見当を付けていくつかの国の名前を挙げてみよう.たとえば「タイ?カンボジア?ベトナム?」など.患者さんも自分の母国を問われているのだなと気がつくはずだ.タイと答えれば「ああ,タイ人だな」とわかる.通訳が同行していなければ,なんらかの手段で意思の疎通を図らざるをえない.
突然患者さんがやってきてしまったら
もっとも頼りになるのは電話通訳である.日本全国,遠く離れた診察室からでもサービス時間内ならいつでも対応してもらうことができる.サービスの利用に費用はかからないが,電話代は医療機関の負担となる.現在利用しやすいのは,①NPO法人AMDA国際医療情報センター東京と②同センター関西,③東京都外国人医療情報センターの3つである(表1).医療専門の機関なので通訳も医療用語には慣れてはいるはずだが,具体的に電話通訳を利用する場合は「文章を短く切って」「ゆっくりとした日本語で」「できるだけ難解な専門用語は避けて平易な言葉で」お話ししていただきたい.早口でかつ難解な医学用語を織り交ぜると,どんな優秀な通訳でも対応できなくなる恐れがある.それは誤訳につながり,ひいては誤診の引金になりかねない.
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