辛口リレーエッセー 私の医療論・病院論
サイエンスとアート
土山 秀夫
1
Hideo TSUCHIYAMA
1
1長崎大学
pp.56
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209467
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最近ある書物を出版するために,何冊かの医療に関する本を読む機会があった.それらは医療保障制度や病院経営といった,国や公共,個人レベルでの経済的見地からの論議が主体を占めていた.医療費を抜きにした医療論はあり得ないのだから,それは至極当然のことに違いない.
ただしかし,本を読み進みながら,私には何か心に引っかかるものがあった.それは他でもない.これらの論議が,主として医療を施す側の視点によって書かれており,必ずしも医療を受ける側に立ったものではない,という点であった.
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