特集 外来診療の質を評価する
気管支喘息診療の質評価
小﨑 真規子
1
1新潟大学医歯学総合病院診療部(京都大学大学院医学研究科医療疫学)
キーワード:
ガイドライン
,
吸入ステロイド
,
病院と診療所の診療パターンの差
Keyword:
ガイドライン
,
吸入ステロイド
,
病院と診療所の診療パターンの差
pp.214-216
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100076
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疾患のインパクト,重要性,評価指標
気管支喘息の罹患率は世界的に上昇しており,本邦での最近の罹患率は成人4~5%,小児7~8%と推測されている.喘息は欠勤や欠席の原因疾患としては最も多く,喘息死は年間4,000人程度で推移している.
1990年に入って各国で喘息治療のガイドラインが発表されたが,その中では,共通して気道炎症へのアプローチが重要な喘息管理の一翼を担っている.これらガイドラインは,喘息患者の治療・管理を著しく改善させ,とくに喘息の増悪による入院,救急外来受診を低下させた.一方で,喘息患者の数はむしろ増加する傾向にあり,また喘息による死亡者数は依然として欧米諸国より高い数値を示している.また,喘息患者の6割前後は軽症間欠型~軽症持続型であり,中等症持続型まで含めれば8~9割を占めるとされ,これらの重症度では,吸入ステロイドを中心とした治療により十分にコントロール可能であるが,実際には十分にコントロールされていない例が多い.
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