特集 喘息とCOPD
知っておいてほしいサブタイプと肺の併存疾患
咳喘息(CVA)
中野 千裕
1
,
松瀬 厚人
1
1東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
キーワード:
咳喘息
,
気管支拡張薬
,
吸入ステロイド
Keyword:
咳喘息
,
気管支拡張薬
,
吸入ステロイド
pp.1363-1366
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_1363
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Summary
▪慢性咳嗽の原因疾患は,本邦では咳喘息(CVA)の頻度が高いとされている.
▪呼吸機能はほぼ正常で,気道過敏性は軽度亢進しており,好酸球のみならず好中球の病態の関与が注目されている.
▪喘鳴を伴わない咳嗽が8週間以上持続し,wheezeは認めず,気管支拡張薬で咳嗽が改善すれば診断できる.
▪CVAの治療方針は,典型的な喘息と同様に吸入ステロイド(ICS)が第一選択薬である.症状の必要性に応じて,長時間作用性β2刺激薬(LABA),ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA),長時間作用性抗コリン薬(LAMA),徐放性テオフィリン薬の併用を考慮する.
▪難治症例ではメディエーター遊離抑制薬が著効することがあり,LAMAの有用性も報告されている.
▪CVAの30~40%は典型的な喘息に移行するため,早期診断・治療が望ましい.
© Nankodo Co., Ltd., 2020