画像診断
腎細胞癌による下大静脈腫瘍塞栓の診断に有用であったMRI
松田 久雄
1
,
植村 匡志
2
,
松浦 健
2
1済生会富田林病院泌尿器科
2大阪逓信病院泌尿器科
キーワード:
MRI
,
腎細胞癌
,
大静脈
,
腫瘍塞栓
Keyword:
MRI
,
腎細胞癌
,
大静脈
,
腫瘍塞栓
pp.421-424
発行日 1997年5月20日
Published Date 1997/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904396
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患者 68歳,男性
現病歴 1995年5月下旬より全身倦怠感,右側腹部痛が出現したため近医を受診し,精査目的で紹介された。
入院時現症 右側腹部に圧痛を認める腫瘤を触知。右腎腫瘍と診断されたが,下大静脈から右心房にかけての腫瘍塞栓が心エコー,胸部CT, MRIなどで診断された。
腫瘍塞栓の先端は右心房内で,下大静脈はほぼ完全閉塞であった。右心房塞栓の肺梗塞による危険性を避けるため術前5日に無水エタノールにより塞栓術を施行したあと,1996年1月24日に体外循環併用により,右腎摘出術および下大静脈腫瘍塞栓摘除術を施行した。右腎細胞癌の腫瘍塞栓は右心房内に達し,下大静脈は完全に閉塞していた。
病理組織診断はrenal cell carcinoma, mixedtype, G2, INFα,pT3c N1 M0 V2cであった。術後1か月目に肺転移が出現し,肝転移も増大した。術後4か月目の頭部CTにて小脳転移を認め,1996年5月11日に死亡した。
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