Japanese
English
原著
リンパ管腔内に腫瘍細胞の塞栓像を認めた有棘細胞癌
A Case of Squamous Cell Carcinoma with Tumor Emboli in Cutaneous Lymphatic Vessels
佐藤 俊樹
1
,
新沢 みどり
1
,
真家 興隆
1
,
高橋 伸也
1
Toshiki SATO
1
,
Midori NIIZAWA
1
,
Okitaka MAIE
1
,
Shin-ya TAKAHASHI
1
1秋田大学医学部皮膚科学教室
1Departmant of Dermatology, Akita University School of Medicine
キーワード:
有棘細胞癌
,
腫瘍塞栓
Keyword:
有棘細胞癌
,
腫瘍塞栓
pp.1057-1061
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900201
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リンパ管腔内に腫瘍細胞の塞栓像を認めた有棘細胞癌の1例を報告した.症例:78歳,女.初診1年前より左耳介に浸潤性紅斑・結節出現,糜爛形成を繰り返した.病理組織像では角化傾向を示す腫瘍細胞が真皮のリンパ管内で増殖し,塞栓を形成している像が認められた.電顕による観察でも腫瘍細胞は有棘細胞の性質を有していた.転移性皮膚癌も考え検索を行うも他臓器に異常を認めなかった.切除後2年半を経過するが局所ならびに全身に異常を認めない.本症例を局所皮膚に原発し,主としてリンパ管内で増殖をみた有棘細胞癌と考え,その発症機序について若干の考察を行った.
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