Japanese
English
綜説
泌尿器系癌と糖鎖
Aberrant glycosylation in urological malignancy
斎藤 誠一
1
,
佐藤 信
1
,
大山 力
2
,
荒井 陽一
1
Seiichi Saito
1
,
Makoto Satoh
1
,
Chikara Ohyama
2
,
Yoichi Arai
1
1東北大学医学部泌尿器科
2秋田大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Urology, Akita University School of Medicine
キーワード:
泌尿器系癌
,
糖鎖
,
悪性度
Keyword:
泌尿器系癌
,
糖鎖
,
悪性度
pp.571-587
発行日 2002年7月20日
Published Date 2002/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903579
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糖鎖は発生,分化過程における認識機構に関与し,癌化により変化する。泌尿器系癌の糖鎖変化を悪性度との関連において調べたところ,各種癌にそれぞれ特徴的な糖鎖,糖転移酵素の変化が観察され,ある糖鎖変化は癌の浸潤および転移,担癌患者の予後に関連していた。糖鎖の具体的な働きや糖鎖の担体となる糖蛋白はまだ十分解明されておらず,癌化における糖転移酵素の変化に関する研究も端緒についたばかりである。糖鎖は臨床癌の特徴をよく反映していることから,癌化における糖鎖の役割ならびに糖鎖発現機構がさらに明らかにされれば,より一層分子レベルで癌の悪性度への理解が深まるとともに新しい治療法への道が開かれるものと思われる。
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