今月の主題 自然免疫と生体防御レクチン
話題
人工糖脂質を用いたレクチンの糖鎖結合性測定法
高崎(松本) 綾乃
1,2
,
山口(藤田) 陽子
1
,
中田 宗宏
1
Ayano TAKASAKI-MATSUMOTO
1,2
,
Yoko YAMAGUCHI-FUJITA
1
,
Munehiro NAKATA
1
1東海大学工学部生命化学科
2日本学術振興会
キーワード:
人工糖脂質
,
糖鎖
,
レクチン
Keyword:
人工糖脂質
,
糖鎖
,
レクチン
pp.921-925
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101674
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1.はじめに
細胞表面には,蛋白質や脂質と結合した形で様々な糖鎖が存在している.レクチンなどの糖鎖認識分子は,この糖鎖と相互作用することで,生体を組織する細胞集団の形成や,細菌やウイルスなどの感染,また,異物表面の糖鎖を認識して排除する自然免疫などといった様々な生物学的イベントに関与している1,2).このような糖鎖認識分子と糖鎖の役割を理解するためには,その相互作用を調べることが重要である.レクチンによる糖鎖認識を調べるためには,糖鎖を固相に固定化する必要があるが,糖鎖それ自体は高い親水性をもつため,そのままでは固定化が困難である.本稿では,糖鎖に脂質を化学的に結合させることで固定化を可能とした人工糖脂質の作製と,それを用いたレクチンの糖鎖結合性測定法について述べる.
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