交見室
電子カルテシステムへの取り組み—第27回日本診療録管理学会へ参加して
北島 清彰
1
1北島病院
pp.281
発行日 2002年3月20日
Published Date 2002/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903471
- 有料閲覧
- 文献概要
患者さんへ診療録の情報提供を考え電子カルテシステムの導入を検討してきました.中小病院に合った4社の電子カルテシステムを実際に1週間ほど使って,システムの使い勝手や価格などを検討し,その結果2000年の暮れに富士通の電子カルテシステム,HOPE/Dr' noteに決定しました。3か月間でLAN工事とカルテ運用の訓練をして,2001年4月2日より実際の診療が始まりました。パソコンは外来診療室5台,医療事務に4台,病棟に4台など計21台でスタート,しばらくは病院全体が電子カルテに振り回されて外来を中心にどたばたしました。1か月半くらい経ったある日,すべてのカルテが机上のディスプレーの中にあり,見たいときにカルテが見られることに気が付きました。無駄なカルテの搬送がなくなり,外来診療業務の流れが完全に変わっていることに気付きました。他の部署,例えば薬剤部でカルテを見たいときにすぐに見ることができて,医師の考え方,治療方針が判り処方と比較することができます。そのためにも医師はカルテをPOSに従って正確に日本語で誰にでも判るように作製する必要があります。最近では医師が診療後の空いた時間にパソコンの画面を見ながらカルテを作製している姿が見られるようになりました。患者さんと電子カルテの画面を見ながら検査結果,その時系列のグラフ,血圧の経時的な変動を見ながら,病気の状態,治療経過,治療計画,注意事項などの話ができます。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.