交見室
電子カルテの導入に向かって
北島 清彰
1
1北島病院泌尿器科
pp.285
発行日 2001年3月20日
Published Date 2001/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903171
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21世紀が始まりました。高知県の山間部にあります泌尿器科を中心とした50床の小病院を継いで13年が経とうとしています。ヘリカルCT,MRI,カラー超音波診断装置,結石破砕機など医療機器の重装備化を行ってきました。患者さんも病院が目指している高度医療を理解して下さり,何とか運営していけるようになりましたが,現状の小病院がこのままの状態で21世紀を乗り切っていけるとは思われません。医療界全体が大きく変わろうとしています。医師が「患者を診てあげる」時代は去り,「患者さんを診させていただく」時代になってきました。心のこもった高度の医療サービス,徹底的な情報開示が必要となってきています。
1年以上前より手書きによる情報開示用のカルテを作成し,患者さんに情報の開示を行ってきましたが,開示カルテを医師が作成するには時間的にも,そして開示内容にも限度があり,最近は中止しています。この経験よりEBM(evidence based medicine)に基づく診療を行いつつ,情報を徹底的に開示するためには電子カルテの導入しか方法がないと考えました。
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