増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅳ.術後合併症とその管理
8.そのほか
エンドトキシンショック
小池 博之
1
Hiroyuki Koike
1
1岩手医科大学泌尿器科
pp.334-336
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903251
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1 はじめに
泌尿器科手術における術後感染症の1つとして,エンドトキシンショックは必ずしも数の多いものではない。しかし,その症状,経過は重篤であり,対処法を誤ったり,時期を逸したりすると多臓器不全に陥り,特に高齢者では死に直結することが多いため注意が必要である。
重症感染症において血液中の病原菌の有無や感染症の症状による菌血症や敗血症といった用語の統一には混乱があり,最近では重症感染症や感染症以外の重篤な病態に対しても全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)として捉える概念が提唱されている1)。そしてこのSIRSのなかで,感染を原因として起こるものが敗血症(sepsis)であると理解されており,原因菌の証明はあまり厳しく規制されていない。しかし,ここではエンドトキシンショックとは血液中にエンドトキシンが陽性(エンドトキシン血症)であり,このエンドトキシンが原因となっている敗血症性ショックを意味しているものとして話を進める。
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