今月の主題 敗血症
話題
エンドトキシンショックに対する緊急治療
木村 裕之
1
,
相川 直樹
1
Hiroyuki KIMURA
1
,
Naoki AIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部救急部
キーワード:
エンドトキシンショック
,
免疫療法
,
メディエーター対策
Keyword:
エンドトキシンショック
,
免疫療法
,
メディエーター対策
pp.1430-1432
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902312
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1.はじめに
エンドトキシンショックは,狭義にはグラム陰性桿菌の菌体内毒素(エンドトキシン)により起こるショックを意味するが,血中からエンドトキシンが証明されなくても重症感染症では同様の病態がみられる.これらの病態は敗血症性ショック,細菌性ショックとも言われるが,筆者は感染性ショック(septic shock)と称している1).
感染症に対する過剰あるいは異常な生体反応が病態の主要因であり,各種のケミカルメディエーターネットワークが関与した細胞障害2,3)から高率に多臓器不全(multiple organ failure;MOF)を合併する.腫瘍壊死因子(tumor necrosis-factor; TNF)やインターロイキン-1(IL-1)などのサイトカイン,好中球エラスターゼ,一酸化窒素(nitric oxide; NO)などがその病態に重要な役割を果たしている.
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