増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
8.腎性高血圧・腎血管疾患
腎梗塞
山口 秋人
1
Akito Yamaguchi
1
1原三信病院泌尿器科
pp.306-307
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902616
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1 はじめに
腎梗塞は,急激に腰痛,側腹部痛をきたす疾患として,泌尿器科の重要な疾患である。梗塞範囲が広いと発熱や悪心,嘔吐を伴うこともある。剖検例での頻度は1.4%という報告があり,決して稀な疾患ではない。両側性のものも10〜20%あり,腎不全をきたすこともある。腎梗塞は,腎動脈またはその分枝が血栓などのために閉塞して,その支配領域が循環不全により壊死に至る。心房細動などの心疾患に合併するものが70%と最も多い。なかでも心房細動がその大部分を占める。そのほかには,動脈硬化,手術,外傷,動脈造影検査などに合併することがある。5日以内に血栓溶解療法を行えば腎機能を温存できるので,早期の診断が重要である1,2)。
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