増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
8.腎性高血圧・腎血管疾患
腎動脈瘤
後藤 百万
1
,
小野 佳成
1
,
大島 伸一
1
Momokazu Gotoh
1
1名古屋大学医学部泌尿器科
pp.302-304
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902615
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1 はじめに
腎動脈瘤の多くは無症状で経過し,他疾患におけるCT,MRI,血管造影検査などで,偶然に発見されることが多い。また,腹部での血管雑音や腎部の拍動性腫瘤の触知が精査のきっかけとなることもある。時に高血圧がみられることがあり,腎動脈瘤が原因か否かが問題となることがあるが,実際に腎動脈瘤切除により血圧が正常化する例がみられる。
先天性と後天性のものがあり,後天性の病因としては炎症,外傷,動脈硬化が挙げられ,また種々の原因にもとづく腎動脈狭窄に合併することがある。また,腎生検や経皮的内視鏡下腎手術に合併して発生することもある。形態的にはsaccu—lar type,fusiform type,dissecting typeがあるがほとんどがsaccular typeであり,腎動脈瘤の93%を占める1)。
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