増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅵ.メディカルエッセイ
救急棟での腹痛患者への泌尿器科的対応
村上 信乃
1
1国保旭中央病院泌尿器科
pp.134
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902568
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当院は救急外来にも重点をおいており,約160名の全科の医師全員が病院近接地に居住しているので,1次から3次までの救急患者(毎月約3,500名)すべてへの対応が可能である。救急棟には常時2〜4人の当直医(3〜6年次の全科の若手医師が交代で当直し,その人数は曜日,時間帯によって異なる)が待機しており,受診した患者はまずその救急当直医が診察して選別し,1次救急の患者は自分たちで処置するが,2次以上の専門的治療を要する疾患では自宅で待機している専門医を呼ぶシステムとなっている(どの科でもまず若手の医師がかけつけ,手に余れば上級医を呼ぶようである)。
泌尿器科も毎月90名前後の救急患者の診療にあたっているが,その中で最も多い疾患は腹痛を主訴とする尿路結石である。救急当直医やファーストコールの専門医として呼ばれた若手泌尿器科医にとって,腹痛の鑑別は難しく,しばしば急性虫垂炎などの緊急手術の適応となる疾患を緊急の治療を必要としない(鎮痛剤使用以外に)尿路結石として扱い,危うく手遅れになりそうなヒヤッとした経験を私は何度かした。
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