病院の広場
これからの外来診療棟
千葉 保之
1,2,3
1国鉄中央病院
2国鉄東京保健管理所
3国鉄中央病院呼吸器科
pp.17
発行日 1970年5月1日
Published Date 1970/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203946
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病院は外来をやめ入院を主とすべきだという論議をよそに,現に日本の病院はどこでも外来が繁盛している,入院患者もほとんどその外来から得られるし,紹介患者だけ待ってたんでは病床はガラ空きとなる.一方,患者には病院にさえ行けばなんでもやってもらえる.例は適当でないかもしれないが,デパートみたいなもの.そこへ行けば買いたいものはなんでもあるから.
そういう外来を前にしてみれば,そのサービスもいっそう切実なものとならざるをえぬ.幸か不幸か今は,いらっしゃいませのデパートと違って病院は診療してやる式の風習.べつに権威ぶるわけではないが,まだ頭を下げてまで診療させてもらうという事情にはいってない.一時も早く苦痛をやわらげてもらいたいばかりに患者さんががまんしてくれているからいいものの,時節がら,そう長くは続かないのではなかろうか.
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